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連載講師紹介

講師 山本 講師
職業 山本行政法務事務所 代表。
今時の美人社長の代表格でもあり、
経済産業省のドリームゲートアドバイザーにも参画。
専門分野 各種許認可申請、国際業務、起業支援、企業法務各種手続き

連載項目

新会社法 - 第1回:会社法主要改正点 − 最低資本金制度撤廃・類似商号・役員任期

− 最低資本金制度撤廃・類似商号・役員任期 −

初めまして、私は行政書士の 山本尚子 と申します。
これから計8回に渡りまして、皆さまに「ちょっと耳寄りトピックス」をお送り申し上げたいな、と思っております。テーマはズバリ、今話題の「会社法」です。
本年(2006年)5月より施行された法律でして、旧法と比較し改正した点が数多くあります。
限られた中ではありますが、ついつい斜に構えたくなる法律のお話について、具体例を盛り込みつつ、とにかく「誰でも解る!」を最優先にお話申し上げたいな、と考えております。
どうかお付き合い下さいませ。

確かに話題の「新会社法」、では一体ナニが変わったの?

「新会社法!大幅な規制緩和!機関設計の重要性UP!」・・と、こんな言葉が飛び交っている今日この頃ではありますが、では具体的に「ナニが、どう変わったのか?」について、ごく簡単に、そしてわかり易いところだけをほんの少し、まずは列挙してみたいと思います。
スケジュールの全体感を掴んでいただくために、各活動をステップとフェーズにわけて、そのステップ毎にどんなタイミングでどのようなことを行うべきかを、列挙したいと思います。

◆資本金1円なんて当たり前!? 資本金額のボーダーがない!?
原則としてこれまでの会社は「株式会社なら1000万円、有限会社なら300万円」の資本金を積まねばなりませんでした。これを「最低資本金制度」と呼んでいましたが、これが全面的に撤廃され、極端なことを申し上げれば「資本金=0円」の株式会社も設立OKとなりました。
また、資本金としての出資を、現金ではない財産(例えば有価証券や不動産、自動車など)で行なうことを「現物出資」といいますが、この「現物出資」についての規制についても大幅な緩和がされました。

◆お隣の企業と、同会社名??
例えば「株式会社山本商店」という会社を、東京都○○区内に新しく創りたい、そう思ったとしましょう。 しかし、どんなにお気に入りの会社名でも、その同じ○○区内において似たような商号(会社名)、似通った事業内容を営む企業が既にあると、その社名を採用することができませんでした。
そんな「社名命名の自由」について、今回の法律では、「同じ市区町村内に似たような社名の会社があっても、OK!」になりました。
ですから、これを契機に社名変更をしよう!・・そう仰る会社さんも、私はちらほらお伺いしています。しかし、いくらOK!になったとはいえ・・あまりに至近距離に似たような社名、似たような事業の会社があったら・・他から見ると、さながら同じ会社のように見えてしまうことも考えられますから、それだけはどうか十分ご留意頂きたいと思います。

◆役員の任期が、エンドレス??
お話の前に申し上げます。 決して今回の法律で取締役・監査役など役員の任期がエンドレスになったわけではありません。 ただ、かなり長いタームを置くことができるようになったのは事実です。これまでの株式会社については、取締役については2年、監査役は4年の任期が定められていて、それに則って役員改選をせねばなりませんでした。
しかし、特に同族会社等においては必ずしも「改選」が必要で無いケースも多々あったと思います。これについて、公開会社(株式が市場に流通している企業のことをこう言います)等を除いては、「定款の定めをもって任期を最長10年にまで伸張してOK!」ということとなりました。

今回お話申し上げましたのは、まだまだ本当に触りの部分だけのお話です。
次回は「えっ!有限会社ってなくなっちゃったの!?」から始まりまして、既存の有限会社必見!の内容満載でお話申し上げたいと思います。
御社の定款をぜひご用意の上、ご覧頂けますと幸いです。
ここまでご高覧頂きましてありがとうございました。次回もぜひ、お楽しみに。
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新会社法 - 第2回:有限会社の取扱と移行手続きについて

前回は「新会社法施行!」というところから、今までの会社に関する法律(商法)と比べ、一体何が変わったのか?ということについて、ごくごく簡単にトピックスだけを掻い摘んでお話してみました。
今回は、前回の予告どおり、既存の有限会社についてお話を進めたいと思います。

「えっ!有限会社ってなくなっちゃったの!?」

結論から申し上げます。
「有限会社制度は廃止となりました」というのがお答えです。
今回の新会社法が5月に施行となったことと同時に、既存の有限会社について定めた法律(有限会社法)が廃止されることとなり、本年5月1日以降、有限会社を新たに設立することが出来なくなりました。
既存の有限会社については、もれなく、無条件、自動的に株式会社へと組織の変更をしたこととして存続することが可能です。
「株式会社と有限会社は統合して『株式会社』になりました!」というイメージですね。
ただ、「自動的に株式会社」になりましたよ、とはいえども「株式会社」という組織の中のひとつの形態としての、「有限会社」です。したがって、既存の有限会社はこれまでと同様、会社名は「有限会社○○」若しくは「□□有限会社」のままなのですね。

◆何で「有限会社制度」は無くなってしまったの?
既存の有限会社は、

「(原則として)資本金は300万円以上」
「 取締役は最低1名以上」
「 役員の任期は変更が生じない限り無制限」

というのが主だった規則でした。
しかし今回の新会社法においては、前回のコラムでも少し触れましたが、

「 資本金はいくらでもOK!」
「 取締役も最低1名以上」
「 役員の任期は条件が満たせば最長10年に伸張可能」

と、規制が大幅に緩和され、特に資本金については会社法による株式会社の方が規制が緩やかとなる結果となりました。
新会社法においては有限会社のことを、「特例有限会社」と呼び、既存の有限会社法によって定められていた規則等を継承する一方で、株式会社には認められている「自由な企業設計(機関設計や株式のこと等)」については除外とされるなどの規制もあります。

◆資本金が少なくても株式会社!なら、有限会社から株式会社への変更はできるの?
はい、OK!です。
所定の手続を踏めば、大きな変更事項なくそのままのスタイルで株式会社へと移行することが可能です。
先に「もれなく、無条件、自動的に株式会社に変更しました!」とはお話しましたが、既存の有限会社は、やはり「有限会社」と名乗る必要があります。
せっかく制度が「株式会社」に変更することが容易くなりましたから、「これを期に株式会社へ変更しようかな?」とお考えになる社の社長さんは多いようです。
手続の実際は、

○有限会社の出資者(社員、と呼んでいました。会社法施行後は株主と呼び変えています)が集まり、「株式会社へと組織の変更をしましょう!」と決議し、
○株式会社への移行手続の為の登記(会社の登録)と
○株式会社を設立したことに伴って、既存の有限会社を閉じる手続を同時に、
管轄の役所(法務局)にて行います。

◆株式会社へ移行することのメリットは?
既存の有限会社の社長さんで、今ちょうど「株式会社に移行することは・・どうなんだろう?」とお考えの方がきっといらっしゃることでしょう。私自身、今般の会社法施行によって有限会社の社長さんにお目にかかり、実際に数多くの移行手続のお手伝いをさせて頂いています。
その際にいつもお話している、移行についてのメリットとデメリットをごく簡単に、キーワードでお話します。

『メリット』
○ネームバリューや信用力の向上
(やはり「有限会社」よりも「株式会社」が、より高いネームバリュー、信用力を得ているようです)
○営業力の強化
(信用力から通じるものとしての、営業力が向上しているようです)
○優秀な人材の雇用・確保
(求人募集の際の反応が違います)
○機関設計
(会社の内部のアレンジ方法)の柔軟度向上(より攻撃的・積極的でオープンな会社作りに大いに役立ちます)

『デメリット』
○公告義務の発生
(決算のほか、会社合併などといった会社に関わる重大な事項についての通達義務のことをいいます。ただ、会社のディスクローズを行なうことによって会社経営の透明性を高め、信用力に大きく寄与することでしょう)
○役員任期の発生
(変更がなければ無制限であることに比べて拘束がありますが、これも会社経営の透明性を高め、より良い緊張感を生み出すものと考えます)
○移行に伴う諸事務の発生
(手続が必要となる為、やむを得ません。しかし、一度きりのことですし、場合によっては上手にアウトソースすることもひとつの案です)

次回は「ウチの会社は1円会社!」と題し、既存の「確認株式会社」「確認有限会社」についてお話したいと思います。
ここまでご高覧頂きましてありがとうございました。
次回もぜひ、お楽しみに。
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新会社法 - 第3回:確認会社の取扱と移行手続きについて

「新会社法施行」から早くも4ヶ月近く経ちました。
新法施行直後は、本当は「Yes」のところを「No!!」と言ってみたり、審査期間が普段の2倍くらいかかったり、関連するお役所もまさに大混乱!!に陥っているようでしたが、ここにきてようやくお役所も落ち着きを取り戻しつつあるようです。
さて、第1回は旧法からの改正点についてのトピックス、前回は「既存の有限会社さん」についてお話をしてきました。
今回は、いわゆる「1円会社さん」についてお話を進めたいと思います。

「うちの会社は1円会社!」

「1円会社が今回の新会社法によって何が変わるの?」をお話しする前に、そもそも「1円会社」とはなんぞや?というお話から、ごく簡単にお話しますね。

「1円会社」、とはいわば通称のようなもので、別名「確認会社」などと呼ばれる会社のことです。この会社は、旧商法・有限会社上の最低資本金(株式会社は1000万円、有限会社は300万円)を準備することなく、資本金1円でも株式会社又は有限会社を設立することが可能となる「最低資本金規制特例制度」が平成15年に創設されたことにより、その制度を活用して誕生した会社さんのことを言います。
「資本金最低1円でも設立OK!」であったため、「1円会社」と呼ばれていたのですね。

ただ、この「1円会社」は、会社設立時に1円以上の資本金を積めば宜しいというメリットがある代わり、5年以内に資本金の増強を図って最低資本金(株式会社は1000万円、有限会社は300万円)をクリアするか、組織変更(例えば、確認株式会社が有限会社に変更する等)を行なわなければならない、というハードルもありました。
そしてこのハードルがもしクリアできない場合には、解散をする旨を定款に定めなければならなかったのです。

「5年以内に、解散!?」

もし貴方の会社が「平成15年2月以降、平成18年4月までに設立した会社」で、「資本金が有限会社さんなら300万円未満、株式会社さんなら1000万円未満」の会社さんなら、貴社の定款か、登記簿謄本をチェックしてみて下さい。
・・きっと記載されているはずです、「解散事由」という条項が!

しかし、思い出して下さい。
先に私がこのコラム内でお話しました、「資本金のボーダーがない!?」というお話を・・。
(詳細は当コラム第1回をご覧下さい)

そうなのです。 今回の新会社法では、資本金に関する規制が全面的に廃止されました。
これは、新会社法施行後に設立される会社さんばかりではなく、もちろん既存の会社さんにも適用されるお話です。
これでホッ!と一安心ですね! 仮に設立後5年経って、資本金の増強や組織の変更手続をしてなくても、存続できそうです。(もっとも、この制度ができてまだ5年経っていませんでしたので、「設立後5年経っている確認会社」は1社もないのですが・・)
しかし、今回の新法施行によって当たり前のように免除されるわけでなないのです!
ココが今回の最重要ポイントです。
「解散事由」をなくそう!

ズバリ、「株主総会を開催し『解散事由の廃止』をすることを決議、その旨の登記が必要!」です。
言うは易し、でも日ごろの業務に忙殺されていたり、会社設立後しばらくたってしまうと、登記手続きとはついつい忘れがちなところだと思います。
しかし、もしも会社設立後5年以内に資本金の増強もしくは組織変更の手続を行なわなかった場合で、しかもこの「解散事由の廃止」をする登記手続きも忘れてしまうと、「会社解散!」というとんでもない憂き目に遭ってしまいます。
時が経つと忘れがちな会社のベースとなる登記手続き関係ですが、定期的に会社設立時の書類の見直しをし、必要な部分はアレンジ、不要な部分は削除、とメンテナンスをしておくのがベターです。

さて、次回は「会社組織のアレンジ方法」についてお話しますね。お楽しみに!
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新会社法 - 第4回:組織作り(機関設計)1 − 取締役と監査役について

季節はすっかり秋めいてきましたね。
朝晩が涼しくなり、大分過ごしやすくなってきました。
6月決算の企業さんは、ちょうど定時株主総会の時期でもありますね。

さて、第1回から第3回までにかけ、「新会社法が施行されたことによって、一体ナニが変わったの?」ということについて、大まかにお話をしてきました。
今回からは、「新会社法」を実際に利用して、「会社組織をアレンジしよう!」をテーマにお話したいと思います。

そもそも、会社ってどんな組織で成り立っているの?

会社とは、様々な機関で成り立っています。
では、実際にどのような機関があるのかをここで見てみましょうか。

■株主総会 株式会社の最高意思決定機関で、取締役・監査役の選・解任など、株式会社の組織・運営・管理などに関する重要事項を決定する機関です。
株主総会には、決算期ごとに開催される年1度の定時総会と、必要に応じて随時開催される臨時総会があります。
■取締役 株式会社の業務施行を行なう機関です。
■取締役会 3人以上の取締役によって構成され、代表取締役の選任をはじめ、重要な業務について意思決定を行なう機関です。
■監査役 取締役の職務執行や、会社の会計を監査する機関です。
■監査役会 3人以上の監査役(うち半数以上は社外監査役)で構成され、監査方針の決定や監査報告の作成を行なう機関です。
■委員会 主に大企業において機動的な経営と実効的な監督を可能にするために設けられた機関です。指名委員会・監査委員会・報酬委員会の3つから構成されるため、「3委員会」などと呼ばれることもあります。
■会計監査人 主に大企業において計算書類等の監査を行なう機関です。資格は公認会計士又は監査法人に限定されています。
■会計参与 会社法で新設された機関で、取締役と共同して計算書類の作成などを行なう会社内部の機関です。資格は、税理士・公認会計士などの会計専門家に限定されています。

これまでは、株主総会と、取締役、取締役会、監査役のそれぞれを置くことが必須で、これらのいずれも欠けてはなりませんでした。これからは、

・株主総会
・取締役

この2機関はマストアイテムですが、それ以外については会社の規模や株の公開状況に応じて定めて下さいね、という決まりになったのです。

「株の公開って?」

株式とは、割と身近に見聞きする言葉ですよね。 最近は、「デイトレード」が脚光を浴び、実際に株の取引をなさっておられる方も多いと思います。
いつもニュースで目にする株式市場。 この市場に上場している企業は、皆「公開会社」です。

それとは反対に、株の取引を一切していない企業もあります。
特に、中小企業のその大半が株取引は行なわれていないことでしょう。
その会社の株式を取得する場合、会社の承認を得る必要があるという定めのことを「株式の譲渡制限」言います。 その会社が発行する株式について、その全部が譲渡制限株式である場合、その会社は「非公開会社」と呼ばれ、この譲渡の制限が一部でもかかっていない会社のことを「公開会社」と呼ばれているのです。

このうち、非公開会社は株式の流動に制限があって株主が安定している為、会社の定款に定めることによって、会社組織のアレンジ方法や会社内部の細かな規程について、より緩やかであって良いということになっているのです。

さて、次回は「具体的な会社組織のアレンジ方法」そして、今回新会社法によって新設された「会計参与」という機関についてお話しますね。お楽しみに!
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新会社法 - 第5回:組織作り(機関設計)2 − 会計参与と剰余金

秋も大分深まってくる季節になりましたね!
寒暖の差が次第に大きくなるこの頃ですが、ご体調は如何でしょうか?
身体が資本!でもありますから、ご体調の管理には十分ご留意くださいね。

さて、前回(第4回)は、これまでお話してきました「新会社法」を実際に利用して、「会社組織をアレンジ!」するための、その機関について大まかにお話をしました。

今回は、前回のお話しを基に、「具体的な会社組織のアレンジ方法」そして、今回新会社法によって新設された「会計参与」という機関についてお話ししたいと思います。

それでは、どんなアレンジ方法があるの?

実際のアレンジ方法をお話しする前に、ほんの少しだけ前回のおさらいです。
会社を司る機関には、主に以下の8機関があります。

■株主総会
■取 締 役
■取締役会
■監 査 役
■監査役会
■委 員 会
■会計監査人
■会計参与

ここでは、日本の企業の大多数を占めている非公開会社(※)の中小企業にスポットを当てて、実際のアレンジ方法の一例を表にしてみます。

(※)非公開会社とは?
その会社が発行している株式の全株式について、譲渡制限株式である会社をいいます。詳細は前回(第4回)のコラムをご参照くださいね。

組織つくりのパターン
(1) 株主総会+取締役 最もシンプルスタイルのアレンジ方法
(2) 株主総会+取締役+監査役 シンプルスタイルの類型版
(3) 株主総会+取締役+会計参与
(4) 株主総会+取締役+監査役+会計監査人 対外的信用を重視したスタイル
(5) 株主総会+取締役+監査役+会計参与
(6) 株主総会+取締役会+会計参与
(7) 株主総会+取締役会+監査役 旧法株式会社のパターン(基本形)

既存の会社さんの中で、最もアレンジ方法として多いのは、Fの「株主総会+取締役会+監査役」のスタイルでしょう。
本年5月に会社法が施行される以前は、取締役を3名以上・取締役会を置き・且つ監査役も就任させる、このFのスタイルが株式会社の基本形でした。
しかし、このパターンが必ずしも最良!とは限りません。
これは中小企業に実によくあるパターンなのですが・・「私と両親が取締役、親戚の叔父さんが監査役だけど、実際にビジネスをやっているのは私だけ」という会社さんの場合、「取締役会」や「監査役」が十分な機能をしているとは言いにくく、むしろ「取締役1名で、機能十分!」であることも多いからです。ですから、既存の会社さんでも「できれば・・仕事していない取締役を外したいんだよね」とか、「監査役は前々から要らないかなぁと思ってたんだよね・・」という会社の社長さんから、次々とお問い合わせを受けています。

また、これから起業を!とお考えの方には、会社設立当初はシンプルスタイルにて設立、業務拡大に応じて組織の強化を図るというアレンジ方法が理想であろうと思います。

会計参与について教えて!

前回も少しだけお話をしました「会計参与」ですが、ここでもう少し触れておきたいと思います。
会計参与、という機関は、今回の新会社法の施行に合わせて新設された機関です。
主に取締役と共同して、計算書類及びその附属明細書、臨時計算書類ならびに連結計算書類を作成する役割を担っています。
近年は、多発する企業の不祥事等への反省から、会社の情報開示の正確性・透明性が重視されています。しかし、何も大会社や上場企業ばかりでなく、中小企業においても、計算書類の記載の正確性を打ち出すことにより、株主・会社債権者の保護をはかることが重要なのです。

そこで、会社法では、中小会社を念頭に置いて、専門知識を有する公認会計士・税理士等の有資格者が、取締役・執行役と共同して計算書類を作成し、株主等に対して情報の開示する義務を負わせることによって、計算書類の虚偽記載等を防止してその正確性を持たせ、会社の計算に対する信頼を確保することを目的として、会計参与制度を設けられたのです。
このため、株式会社は公開会社・非公開会社の区別をすることなく、会社個々の任意で会計参与の設置を定款上にて定めることができる、とされています。

さて、次回は「株式会社の、株式について」そして、少しだけ「会社の利益(剰余金)の分配について」お話したいと思っています。 お楽しみに!!
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新会社法 - 第6回:株式にまつわるアレンジ<

今年もあっという間に師走が近くなってきましたね。
これから忘年会シーズン真っ盛り!ですね、体調の準備は万全でしょうか?

今年の話題総ざらえをする頃でもありますこの季節、これまで5回に渡ってお話してきました「新会社法」についても、お話のネタのひとつに上るかも知れませんね。

今回は、今までとはちょっと毛色の違うお話、「株式会社の、株式について」そして、「会社の利益(剰余金)の分配について」お話を進めようと思います。
このトピックスをご存知のあなたは、この話題を独占できる!・・・・かもしれません。

◆「株式」会社と言うからには・・?

よく、「株式を発行する」と言いますよね。ではその株を持っていることの証として、「株券」は発行されるのでしょうか?
私自身、株式会社の設立のお手伝いをさせていただいている際、よく質問を受けます。
「株式会社というからには、株券発行しなくっちゃならないんですか?」と。
お答えは、「NO」です。 ・・但し、これは本年5月以降に新しく設立された株式会社で、定款(会社の決まりごとを記す書面)に「株券を発行する」と記載していない場合についての、お答えです。

これまで株式会社の株券は、発行することが原則でした。
しかし、公開会社(株式につき、一部でも譲渡制限がない会社)を除きますと、大半の会社が「株券発行会社」としつつも発行していない現状がありました。
これを踏まえ、平成16年にそれにかかる法律の一部改正があり、今回の新会社法によって、「原則不発行、定款で定めた場合は、株券発行」とされたのです。

但し、本年5月以前に設立された会社の原則は、定款に「株券不発行」と記載されていない限りは発行されることとなります。 また、一定条件を満たせば不発行の状態を維持できるですが、個々の会社さんによってケースは大分異なります。

また、株式の全部に譲渡制限の規制がある会社さんの場合には、議決権(株主総会での発言権、ですね)や利益の配当について、株主ごとに異なる取扱をすることができるような規定を置くことができたり、万一相続が発生してしまった場合、会社にとって好ましくない相続人に株式が分散することを防ぐようにできたりするようになりました。
これらは、これまで行なうことは難しいことでしたから、大きな発展だと言えるでしょう!
御社の株式について、もしご不安に思われる方がおいででしたら、私共専門家にご相談のお声をお掛けくださいね。

◆利益の配当、ちょっと変わったって本当?

本当です!しかも、「ちょっと変わった」のではなく、大分変わりました。
これまで、株式会社の利益の配当の回数は、年2回に限られていました。
株をなさる方でしたらなんとなくピンと来られるかもしれませんね、その時々に、「営業報告書」なる書面とともに配当金受取の紙面が送付されてくることがありますよね。年次決算にともなう配当と、中間配当です。

新会社法では「何も年に2度しか配当を受けることができない理由って、ないんじゃないの?」
ということで、いつでも株主総会の決議によって、利益の配当が受けられるようにしよう!
ということとなりました。
しかし、その会社の純資産額(資本の部の額)が300万円を下回っている場合、株主への利益配当はできませんので、その点は十分な注意が必要です。

さて次回は、新会社法が施行されて初めてできました新組織・合同会社(LLC)と、新法施行の少し前にできました組織・有限責任事業組合(LLP)についてお話したいと思っています。
特に、合同会社(LLC)については、これから起業をなさりたい方にとって、「こんなに初期費用が浮くのか!」と目からウロコな情報満載ですこと、うけ合いです。
お楽しみになさってくださいね!
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新会社法 - 第7回:LLC(合同会社)とLLP(有限責任事業組合)とは

いよいよ今年も暮れの季節となりましたね。
過去6回に渡りましてお話してきました「新会社法」についてのお話も、終盤に差し掛かってまいりました。
これまでは、もっぱら株式会社についてのお話をしてきましたが、今回は少し違う組織形態のご紹介をしたいと思います。前回に少しだけ予告をしました、合同会社(LLC)と有限責任事業組合(LLP)です。

◆LLCってナニ?

limited liability company (リミテッド・ライアビリティ・カンパニー)の略で直訳は「責任に制限のある会社」、アメリカが発祥の日本では新しい企業形態です。

有限責任(出資者が出資の範囲内で責任を負う)で役員の権限や利益配分などを自由に決定することが可能です。
役員のことは「業務執行社員」と呼ばれ、1人からでも設立可能です。 そして、取締役・監査役などの設置も不要です。
高い技術や特許などを持つ個人や、ベンチャーなどが起業しやすい企業形態として注目されています。

例えば・・
「Aさんはお金はあるけれど、技術が足りない。 Bさんは専門知識をたくさん持っているけれど、お金が足りない。」というケース、ありますよね。
合同会社では、Aさんはお金を出資し、事業に貢献します。 Bさんは自分で持っている専門知識を駆使して事業に貢献します。 二人とも異なる形であれ互いに事業に貢献しているので、会社に対する発言権や利益配当のボリュームは1:1にしましょう、と取り決めることができます。
これは「普通の株式会社」にはない、新しいシステムなのです。
現在、LLCはまだ出来たての組織であるために、知名度や信用度が株式会社と比べて今ひとつではありますが、この新しい組織を活用しての起業が徐々に増えてきています。
今にビッグプロジェクトを立ち上げる合同会社が、次々と出て来ることでしょう!

◆では、LLPとはナニ?

limited liability partnership(リミテッド・ライアビリティ・パートナーシップ)の略称としてLLPと呼ばれています。これは今回の会社法とは別の、新しい「組合」組織です。

特徴としては、LLPは「組合」であるため、いわゆる「会社組織」とは異なります。
そのため、課税方法もLLPそのものには課税されず、出資者へ直接課税される方式(パス・スルー税制と呼ばれています)が採用されています。
また、1名から設立が可能な株式会社やLLCとは異なり、構成員(出資者)が2名以上必要です。そして、LLPも基本的な考え方はLLCと同じで、「発言権や利益配当のボリュームは話し合いで決めて良いよ」というシステムであることも大きな特徴です。

また、LLPにはちょっとしたデメリットもありまして、LLPを一緒に立ち上げたパートナーたち(前の話で言えば、AさんやBさん)は、LLPからお給与を貰うことができません。LLPに利益が上がり、その利益を配当する段階になって初めて「利益配当」という名目のお金を貰えることになります。

ですから、ちょっとLLPのシステムは、「本業として事業を構える」というよりも、「サイドビジネス」であったり、「他社との共同プロジェクト」などに向いているんですね。

一年が経つのは本当に早いな・・きっとこのコラムをご覧頂いている貴殿もそういう思いでいらっしゃることでしょう。
一年を振り返り、貴殿にとって今年はどのようなお年でしたでしょうか?
私にとっては・・この「新会社法」の施行により、正に勉強、勉強、また勉強の一年でした。
来年も実り多き年としたいものですね。

さて次回はいよいよ最終回、今回含め7回に渡ってお話してきました「新会社法」の総おさらいをしたいな、と思います。どうぞお楽しみに!
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新会社法 - 第7回:まとめ − 定款の定期的見直しの重要性

いよいよ2007年の幕開けですね!
良いお年を迎えられましたこと、心よりお慶び申し上げます。 本年も宜しくお願い致します!

さて早速ですが、昨年に引き続きまして「新会社法」についてのお話を進めたいと思います。
年が明けたばかりで気分一新!ですが、「新会社法」のお話は、今回が総ざらいです。
これまで7回に渡ってお話してきましたこと、ポイントだけをかいつまみましておさらいしてみましょう!

◆「会社法になって、ナニが変わったの?」【第1回】

会社を取り巻く、ありとあらゆる事項が大きく変わりました。
例えば、株式会社でしたら1000万円の資本金を用意し、最低でも3名の取締役と1名の監査役をおかねばなりませんでしたが、一気に資本金=1円だってOK!役員も1名からでOKとなりました。となりました。
特に、「アイデアもあるし、会社を創めてみたいけれど、資金がね・・」という方にとっては大変な朗報!となりました。

◆「有限会社、って、なくなっちゃったの?」【第2回】

会社法の中では、有限会社は株式会社の中の一部、という位置づけになりました。
モチロン、既存の有限会社さんは、そのままビジネスを継続することができます!
有限会社という会社組織を新たに設立することは出来なくなってしまいましたが、それも株式会社の組織形態が既存の有限会社よりも、より緩やかになったためなのです。
そして、既存の有限会社は、特段の規制なく株式会社へと移行ができるようになりました!

◆「ウチの会社は1円会社、確認会社はどうなっちゃうの?」【第3回】

はい、モチロンそのままビジネスを継続することができます!
2003年の2月以降、2006年4月まで、最低資本金額(株式会社なら1000万円、有限会社なら300万円でした)を下回る金額の出資でも、会社を興すことができるような、特例がありました。
(この会社のことを確認会社、と呼んでいました)しかし、今回の会社法の施行によって、確認会社であっても資本金の規制を受けないため、そのままビジネスを継続できるようになったのです!
ただし、定款(会社の決まりごとを記した書面、でしたね)の中に定めた「解散事由」の廃止の手続きを踏む必要があります。

◆「会社組織のアレンジ」【第4・5回】

会社には、たくさんの決めるべき事項を決定する機関があります。
しかし、会社の形態によって、その機関をチョイスできたり、出来なかったりするケースがあります。
最もシンプルな会社の機関は、株主総会と、取締役を設置することでした。
これから会社をスタートさせるのならば、まずはこのスタイルから始められることをお勧めします!
・・ちょうど洋服やライフスタイルと同じで、会社の規模・実態に応じた機関を置くことによって、会社が拡大していく際に、その実感を得ることができるでしょう。

◆「株式会社の、株のこと」【第6回】

株式会社、といいますと、当然のように「株券」なる紙が発行されるのかな?と思いがちであろうと思います。しかし、この会社法では、株券を発行しないことが原則となりました。
また、利益の配分についても、これまでは定時配当と中間配当の年2度が普通でしたが、株主総会で決議をすれば、いつでも配当できるようになりました。

◆「LLCとLLPって?」【第7回】

LLCは合同会社といい、アメリカが発祥の日本では新しい企業形態です。
有限責任(出資者が出資の範囲内で責任を負う)で役員の権限や利益配分などを自由に決定することが可能なことが大きな特徴です。当初、株式会社と比較して知名度が高くないために、あまり多く話題に上ることがなかったLLCですが、ここにきて大分増えてきたようです。
他方、LLPは有限責任事業組合といい、特徴としては、LLPは「組合」であるため、いわゆる「会社組織」とは異なります。
また課税方法がLLCや株式会社と異なるのも、大きな特徴です。

以上、駆け足でしたがおさらいをしてみました。
特に会社を興されると、いかにして顧客を獲得し売上を上げていくか、日々のビジネスをいかに効率よく運営していくか、という点に目がいきます。
しかしながら、会社内部の体質も非常に重要です。
会社法、という法律は今年5月施行の新しい法律ですが、貴社を守る重要なキーを持つ法律です。要点だけをかいつまみ知識として得、必要に応じて活用していくことは、必ず貴社の運営を大きく変えることとなるでしょう!

そして、貴社の定款を今一度見直してみて下さい。
この会社法に即した定款の作りになっていますか?
例えば、設立時に役員の員数が足らず、「お願いして役員になってもらった、無報酬の役員さん」などがいらしたりすることもあります。
また、設立時に思案されたビジネスプランから変更し、事業目的のリニューアルが必要な場合もあるでしょう。
定款というのはついつい「会社の設立時に必要な書類」という視点だけで捉えられがちなのですが、まさに「会社の根幹となる決まりごと」を記す、貴社にとって肝となる重要な書類です。
この会社法施行によって、見直しのポイントは幾つも挙がってくる事でしょう。
必要とあれば、私共のような専門家もお手伝いをしていますので、ぜひご相談なさることをお勧めいたします。

いつでも貴社の発展をお祈りしています!
そして、これから新しくビジネスを始めようとお考えの貴殿にとっては、絶好のチャンスといえます。ぜひ頑張って下さい!

8回に渡って連載をさせて頂きました「新会社法」のコラムも、今回が最終回です。
最後までお付き合いいただきまして、誠にありがとうございました!
またいつかお目にかかれます日を、心待ちに致しております!

◆お知らせ!!

山本行政法務事業所では、平成18年4月以前に設立をなさった会社さんのために、定款の見直しのご提案を致しております。
直接貴社定款を拝見しました上で、貴社に最適な定款のアレンジを致しますので、ぜひこの機会にお問い合わせくださいませ。
貴社からのご連絡を、お待ち申し上げております!

ご連絡は、uu9r-ymmt@asahi-net.or.jpまで。
件名に、「定款アレンジ」とご記入をお願い致します。
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